高校別医学部合格者を経年分析!

    2020/08/24

    9年比較!医学部合格の「増加県」「減少県」

    全国各地の高校において、その年の受験の成果を占う結果にもなっている「医学部合格者数」。

    昨今の医学部人気もあり、昨今では、合格者数上位の常連校の顔ぶれが様変わりしようとしている都道府県もあるようです。

    今回は、サンデー毎日が各高校に実施した調査結果から、各都道府県における医学部合格者数がどのように推移しているか、過去9年分のデータをまとめました。

    集計データについて
    2012年度の合格実績において、一部の私立大学の調査が未実施のため、2012年度の合格実績が調査できている大学に揃えてすべての年度を集計しています。
    データはサンデー毎日が各高校に実施した調査結果より。年度により一部未回答の学校があります。

    国公立医学部合格
    最も増加率が高かったのは岩手!次いで香川・山形

    全国各地の進学校の「医学部進学者数」の変動を探る今回の調査。

    複数合格による“合格者の重複”が多くみられるであろう私立大学医学部の集計結果は除き、まず国公立大学の合格者数のみを抽出し、各都道府県内の高校の推移を2012年から集計してみましょう。

    その結果、2020年と2012年の合格者数を単純比較すると、24都道府県で増加率が100%を上回る結果に。

    中でも増加率が最も高かったのは岩手で208.3%、次いで香川で158.1%、山形が129.2%となりました。

    なお、増加数ベースで見てみると、最も合格者が増えたのは大阪で56名、次いで兵庫で50名、福岡で40名という結果に。

    人口の多い都市部が目立つ結果となりました。

    国公立医学部合格者数「増加県」、躍進の理由は?

    増加率の高かった岩手県・香川県・山形県の高校ごとの内訳をみてみましょう。
    岩手県で医学部合格者数を大きく伸ばしているのは、盛岡第一高校。2012年時点9人だった合格者数は、2020年には21人と、2倍以上の伸びを示しています。

    岩手に続いて増加率の高かった香川県では高松高校と大手前丸亀高校が台頭しているほか、山形県では山形東高等学校に加え県内の各高校が、地道に実績を伸ばしていることがうかがえます。

    国公立医学部合格者「減少県」要因は…

    医学部合格者が大幅に減少してしまった都道府県の状況も見てみましょう。
    減少幅が最も大きかったのは島根県で、2012年と2020年度の合格者数を比べると52名から26名と50.0%減。

    これには県下トップ校の出雲高校、松江北高校、松江南高校の落ち込みが大きく響いているようです。

    また、福島県と高知県では、ともに70.7%の減少。いずれも県下トップ校の医学部合格者数の落ち込みが大きく影響しているようです。

    なお、最も合格者数が減少しているのは意外にも、全国1位の合格者数を誇る東海高校を抱える愛知県。

    2012年との比較で31名もの減少がみられました減少分の内訳を見てみると南山高校・東海高校の影響が大きいほか県内各地で実績が落ち込んでおり、国公立大の合格者数は減少傾向にあることがわかります。

    都道府県別の医学部合格者数「増加県」(私立大含む)
    続けて、「私立大も含めた」合格者数の推移についても見てみましょう。
    国公立大の合格者数推移と同様に、増加率で断トツのトップになったのは、岩手県で312.0%。

    2012年時点では25名だったところ、2020年には78名まで実績を伸ばしています。

    増加率では、2位が東京(161.1%)、3位が神奈川県(153.3%)となり、人口の多い都道府県でありながら、増加“数”だけでなく増加“率”の面でも全国水準で高い成果を示す結果となりました。

    東京都の合格実績校に地殻変動?
    大躍進の豊島岡女子

    東京と神奈川県の10名以上増えた高校の内訳を見てみると、東京では豊島岡女子学園が76名から約2倍の148名に大躍進し、2020年の実績で桜蔭(137名)、開成(137名)といった名門校を上回る成果を上げた結果となりました。

    東京都内では、日比谷高校も19名から82名と4倍以上の実績をあげているほか、桜蔭、女子学院といった名門女子校も60名程度、合格実績を伸ばしています。

    一方神奈川では、聖光学院高校が54名から約2倍の110名に、フェリス女学院が17名から2倍以上の43名増やしています。次いで逗子開成、横浜共立学園と神奈川は私立高校の躍進が目立つ結果となりました。

    記事監修

    日本小児科学会認定小児科専門医
    すずきこどもクリニック
    鈴木幹啓(すずきみきひろ)