癇癪(かんしゃく)持ち

    2020/08/24

    「思い通りにならないときに、よくかんしゃくをおこすので困っています。よい対応はありませんか?」と診察室でよく受ける質問です。

    何もしないでじっとしていることが難しいという特徴があるお子さんでは、色々な興味や関心が広がってくる発達段階になると、かんしゃくがよくみられるようになります。

    お子さんの行動に対してダメと真正面からぶつかるのではなく
    「~ちゃんこれ楽しそうだね?」
    「新しいおもちゃを見に行こうか」
    などと、別のものに注意を向けさせ・・・

    お子さんが自分の手の中のもので遊べたり、食べたり、飲んだりできることで、ダメな行動から気持ちが離れて手の中のおもちゃや食べものなどに集中できるようにしてあげることが一番の対応法です。

    もし、切り替えの苦手なお子さんでしたら、その子の分かる方法(写真や絵カードなど)を使って伝えるというのも方法です。

    この場合はまず、お子さんにとって「得になる、嬉しい」予定を伝えることが、定着させるポイントになります。

    もし、かんしゃくをおこしてしまっときも、

    かんしゃくは
    「自分の気持ちを相手にうまく伝えられない状態」
    なので

    叱るのではなく
    「辛いね、嫌だったね」
    と本人の気持ちを代弁しながらその場を速やかに離れ
    気持ちを受け止めながらクールダウンさせるとよいでしょう。

    記事監修

    日本小児科学会認定小児科専門医
    すずきこどもクリニック
    鈴木幹啓(すずきみきひろ)