母親―幼児の関係

    2020/08/21

    ・すごく怖がりで母親にくっついてばかりです。
    ・母親の姿が見えなくなると大騒ぎをします。

    このようなお子さんは沢山いらっしゃると思います。

    お子さんが怖がりで母親から離れないということと、母親の姿が見えなくなると大騒ぎをするということは同じ問題だと思います。

    共通点は母親―子どもの関係です。

    ところで、お母さんはしっかりとお子さんとの関係をつくってこられたのでしょうか?

    母親から離れられない子どもの多くは、母親―子どもの関係が満足に育っていないと考えてもよいでしょう。

    本来、子どもというものは、母親が見知った人との出会い、話しを交わしているときなど、母親の後ろに隠れて母親の服の一部を手でしっかりとつかみながら顔だけちょっと出し、母親の話している相手をチラッと見るさまをするものです。

    隠れているものの、相手への興味や関心があるからです。

    やがて、母親が話をしている人と母親の話しているさまを交互に見ながら、子どもは安心な人だと認識すると、自らの顔や、時には半身を出し、遊びはじめるものです。

    しかし、相手がそんな子どもの様子に刺激されて、笑顔で声かけしたなら、子どもは再び母親の後ろに隠れてしまうでしょう。

    この状況をくり返しながら、子どもは自らと母親の相手との距離を縮めていくのです。子どもがお母さんから離れても安心していられるためには、母親―子ども関係の充実が必要なのです。

    記事監修

    日本小児科学会認定小児科専門医
    すずきこどもクリニック
    鈴木幹啓(すずきみきひろ)