COVID-19パンデミック中に小児の自宅での骨折が増加

2020/08/24

 米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に小児のスポーツ骨折が大幅に減少したが、その一方で、自宅での骨折は増加していたとする研究結果が発表された。

 米フィラデルフィア小児病院(CHOP)は、同病院で骨折の治療を受けた1,735人の患者のデータを集め、それを2018年と2019年の同じ期間のデータと比較した。

 その結果、2018年および2019年と比較して、COVID-19のパンデミック中には、1日当たりの骨折の発生件数が約60%減少していたことが明らかになった。

とりわけ急激な減少が認められたのはスポーツ関連の骨折で、全ての骨折に占める割合は、2018年および2019年の同時期で26%であったのに対し、パンデミック中は7.2%であった。

骨折の減少には年齢層による違いも認められ、月単位の骨折発生件数は、12歳以上で約80%減少していたのに対し、5歳以下では約33%の減少にとどまっていた。

 その一方で、パンデミック中は2018年および2019年と比較して、自宅で発生した骨折が25%以上増加しており、トランポリンや自転車の転倒による骨折など、大きな力(エネルギー)が加わって生じた転倒による骨折は12%増加していた。

 学校の休校や公園の閉鎖、チームスポーツの中止など、ソーシャルディスタンスを保つことでCOVID-19の拡大を抑制しようとする措置により、家族が自宅で過ごす時間が増えている。今回の研究で示された骨折の原因の変化は、こうした状況の中、親が子どもたちのために、他のレクリエーション活動を模索していることにより生じたものである。

COVID-19パンデミックの期間中、骨折の全体的な発生件数は著しく低下したが、基本的な安全対策の重要性について親は認識する必要がある。

記事監修

日本小児科学会認定小児科専門医
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)