COVID19の影響は知的発達障害者の間で特に深刻

2020/08/24

 自宅やグループホームでケアを受けている知的発達障害のある人たちは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を特に受けやすいことが、米国で示唆された。とりわけ、知的発達障害のある若年者でその傾向が強かったという。

 特に危険性が高いのはグループホームの環境だと指摘する。

「居住施設に住んでいる知的発達障害患者たちは、COVID-19による‘最悪の事態’に直面したのだと思う。知的発達障害患者は、誰かに身の回りの世話をしてもらうことが多いため、ソーシャルディスタンスを保つのが難しく、感染リスクも高い。また、リスクに曝されているのは、知的発達障害患者だけではない。こうした患者を支援する介護者たちもまた、体調が優れないときは自宅にとどまるべきか、自分を必要とする人たちを支援すべきか、二者択一を迫られる」

 知的発達障害には、ダウン症候群や脳性麻痺などによる障害も含まれる。知的発達障害のある人たちは、学習やコミュニケーション、言語、行動など、さまざまな面で機能に制限がある。こうした障害は小児期の早い段階で診断されることが多く、多くの場合、それが生涯にわたって続く。知的発達障害のある人の一部は、さまざまな程度の在宅ケアを受けながら自宅で家族と一緒に暮らしているが、知的発達障害患者のためのグループホームに住んでいる人たちもいる。

 全体として、COVID-19患者のうち、知的発達障害のある人は知的発達障害がない人と比べて、COVID-19の転帰不良に影響する栄養障害や内分泌および代謝性の疾患(糖尿病など)、循環器/心疾患の有病率が高いことが明らかになった。

また、知的発達障害のある人とない人との間で致死率の違いが18歳未満ではさらに顕著だった。

 「COVID-19は、社会的に不利な状況に置かれた人たちに強い負の影響を及ぼすことが知られており、知的発達障害患者もそこに含まれる」

その理由の一つとして、知的発達障害のある人はCOVID-19の重症化リスクを高める糖尿病や喘息、肥満、呼吸器疾患、心疾患などの合併率が高いにもかかわらず、多くの場合、高品質の医療を受ける機会に恵まれていない。

 また知的発達障害患者に自宅待機を要請した結果、介護者が適切な感染防護具を支給されないまま働かざるを得なかった状況にもある。

データの裏付けはないが、複数の場所で知的発達障害のある人たちの食事や入浴、着替えの介助をすることで、多くの人にCOVID-19を感染させてしまった可能性もある。

記事監修

日本小児科学会認定小児科専門医
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)