新型コロナ向け抗体医薬の最終治験開始、感染予防効果も検証 米製薬2社、回復患者から得た抗体を活用した治療法

2020/08/24

新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬の開発が、最終段階に進んでいる。

回復患者から得た抗体を活用した治療法で、予防薬としても検討されている。米国立衛生研究所と連携し、開発が最も進んでいる米イーライリリー、米リジェネロン・ファーマシューティカルズの抗体医薬が第3相臨床試験をそれぞれ開始した。

リリーはカナダのバイオベンチャー企業アブセレラと開発している抗体医薬の第3相臨床試験を開始。

米国立衛生研究所による開発プログラムの一部として、中等症までの患者2000例、入院患者1000例を対象とする試験2本を米国で行う。予防薬としての第3相臨床試験も始め、介護施設の入居者や施設関係者2400例を組み入れる。

1回投与した後の感染予防効果などを検証する。

リジェネロンも、予防効果を検証する第3相臨床試験を米国立衛生研究所と開始。

米国で約2000例を組み入れる。

感染者の治療効果を検証する臨床試験2本も進行中で、このほど後期段階(第2/3相臨床試験)に進んだ。

実施地域を中南米にも広げ、約2900例を登録する予定。

記事監修

日本小児科学会認定小児科専門医
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)