新型コロナ:オックスフォード・ワクチン、初治験で「有望」

2020/08/24

オックスフォード大学とアストラゼネカが開発している新型コロナウイルスのワクチンの初の治験が実施され、有望な結果が示された。

英国政府はすでに1億回分を発注している。

オックスフォード大学と英国の製薬会社アストラゼネカ(AstraZeneca)が開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの初の治験が実施され、安全性が証明されると共に、強力な免疫反応が誘発されることが示された。

被験者の免疫系からは抗体とT細胞が生み出され、観察された副作用も比較的穏やかだった。

治験には健康な成人1077人が参加し、「ChAdOx1 nCoV-19」という実験的なワクチンと、比較として髄膜炎ワクチンのいずれかが投与された。

ChAdOx1 nCoV-19を投与された被験者の抗体反応は28日目までにピークを迎え、最終日の56日目まで高いレベルを維持した。

2回目の投与を受けた10人にはさらに強い抗体反応が見られた。

さらに、早くも7日目にはT細胞反応に「著しい増加」が見られ、最終日に被験者を再度調べたところ、反応はまだ残っていた。T

細胞は白血球の一種で、体内に侵入してくるウイルスを認識して攻撃する。強力なT細胞反応の誘発は重大な意味を持つ可能性がある。

新型コロナウイルスに対して、T細胞反応が何らかの持続的な免疫を生み出すのに極めて重要である可能性を示す証拠が次々に見つかっているからだ。

今回のワクチンでは被験者の70%に軽微な副作用が見られた。

主な症状は疲労感や頭痛だった。だがそれらの副作用は、解熱鎮痛薬の1つであるアセトアミノフェンで治療可能だった。

中国・武漢のカンシノ・バイオロジクス(CanSino Biologics)が開発中の別のワクチン候補の初の臨床結果も同じ日に有名医学誌ランセットに掲載されている。

健康な成人508人の治験において、96%以上が抗体を生成しており、90%以上にT細胞反応があったという。

これらの結果は有望だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する十分な防御効果があるかどうかや、そのような効果がどれだけ持続するかを判断するのは時期尚早だ。

英国では、1万人以上が参加する「オックスフォード・ワクチン」のさらなる治験がすでに始まっている。

一方、米国では3万人の被験者が募集されており、ブラジルで5000人、南アフリカでは2000人が募集されている。

英国政府はすでに1億回分のオックスフォード・ワクチンを発注している。

記事監修

日本小児科学会認定小児科専門医
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)