解熱剤を使う基準
2020/08/2639.5度-480x360.jpg)
基礎疾患のない生来健康な小児の上気道炎においては、解熱剤の使用に関して全ての医師が納得するような基準はありません。
また上気道炎に伴う発熱はそれ自体が生体に非常な悪影響を与えることはありません。
ただし、先天性心疾患や熱性痙攣の既往のある児は別で、発熱に伴う消耗を防ぐ、あるいは中枢神経系の過剰興奮が引き起こされる可能性に対して速やかに解熱剤を用いることが多いです。
熱性痙攣の予防については解熱剤の効果が果たして十分かどうかは疑わしいため、ダイアップ坐剤を使用が望ましいでしょう。むしろダイアップの方が第1選択薬です。
このような基礎疾患がない時は、発熱が脳への悪影響をもたらしたりすることはありません。熱そのもので頭がおかしくなることはまずありません。
しかし患児がひどく不快な状態になりぐずって寝ない場合、食欲が低下して、水分摂取もままならない場合、熱さえ下がれば体力的な回復が見込めると思える場合には解熱剤を使用するほうがよいでしょう。
その場合に厳密に体温が何度になったら解熱剤を用いるかという線引きはできませんが、もし、体温で決めるのであれば、およその目安としては38.5℃以上のときが該当するであろう。
小児で安全に使用できる解熱剤は成分名でアセトアミノフェン(商品名はいくつかあります)しかないです。
坐薬もしくは内服薬であるが、およそ10mg/kgを1回量とします。
手足がすでにあつくなっているときは薄着にさせて熱を発散させることが重要です。
記事監修
- 日本小児科学会認定小児科専門医
- すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)
Related Posts