おたふく髄膜炎クイズ
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4歳の女児。発熱と頭痛があます。数日前から右耳下部の腫脹と疼痛があり、本日の夕方から発熱、頭痛および嘔吐がみられました。
夜間に発熱と頭痛とが増強したため救急外来を受診しました。
意識は清明ですが、体温39.1℃あります。
右の耳の下に痛みを伴う腫れを認めます。
靴を履こうと「下を見ようとしても、首が曲がらない」と言っています。
吐き気はあるが、下痢はなく「お腹は痛くない」と言っています。
この疾患で可能性が高いのは何でしょう?
答え:流行性耳下腺炎〈おたふくかぜ〉、髄膜炎の合併
解説:
- 発熱と頭痛を認め、夜間に増強した→急性の経過
- 数日前からの右耳下腺の腫れ・痛み、自発痛(触らなくても痛い)を伴う→急性耳下腺炎・流行性耳下腺炎の疑い
- 下を向けない→項部硬直という兆候→髄膜炎を疑わせる兆候です
- お腹は痛みがない→膵炎などは考えにくい
流行性耳下腺炎〈おたふくかぜ〉の合併症として、本症例のような経過をとり最も多いものが無菌性髄膜炎です。そのほかには精巣炎・卵巣炎、膵炎、片側性の感音難聴(治療に反応せず治りません)があります。
おたふくかぜワクチンは現時点では任意接種で、2回接種が推奨されています。
記事監修
- 日本小児科学会認定小児科専門医
- すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)
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