アトピー性皮膚炎を改善する日本発の新薬「コレクチム軟膏0.5%」

2020/08/26

注目の新薬の特徴や使用上の注意などを、簡単に理解しましょう。

JAKというアレルギー反応を起こす機構を阻害して、アトピー性皮膚炎を改善する世界初の外用薬「コレクチム軟膏0.5%」

今回は、外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬「商品名:コレクチム軟膏0.5%、製造販売元:JT)」を紹介します。

本剤は、20年ぶりに登場した外用アトピー性皮膚炎治療薬で、世界初の外用JAK阻害薬です。免疫細胞および炎症細胞の活性化を抑制することで、皮膚の炎症とかゆみを改善することが期待されています。

本剤はアトピー性皮膚炎の適応で、2020年1月23日に承認され、2020年6月24日に発売された新薬です。

通常、成人には、1日2回、1回当たり最大5gまでの適量を患部に塗布します。なお、治療開始4週間以内に皮疹の改善が認められない場合は使用を中止します。症状が改善した場合には、継続投与の必要性について検討が必要です。

気になる副作用は?
軽症、中等症または重症のアトピー性皮膚炎患者352例を対象とした試験の結果から、主な副作用は、適用部位毛包炎11例(3.1%)、適用部位ざ瘡10例(2.8%)、適用部位刺激感9例(2.6%)、適用部位紅斑7例(2.0%)でした。なお、重篤な副作用として、カポジ水痘様発疹(ヘルペスウイルスの感染症)が1例(0.3%)に認められています。

1.この薬は、皮膚の炎症とかゆみを抑えることで、アトピー性皮膚炎を改善します。
2.大人の人さし指の先端から第1関節まで出した量(約0.5g)で、手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。塗った部分にティッシュが付く、または皮膚がテカテカする程度が適切な使用量の目安です。
3.粘膜や皮膚の損傷、ただれている部位は避けて塗ってください。
4.この薬を塗ったところに吹き出物ができるなど、気になる症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
5.万が一、眼に入った場合はただちに水で洗い流してください。

従来、アトピー性皮膚炎治療は、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(免疫抑制薬)が中心となっています。

本剤は、アトピー性皮膚炎を治療する薬剤です。国内臨床試験において、抗炎症作用および抗そう痒作用による皮疹改善作用が確認されています。

副作用としては、刺激感や紅斑などが報告されていますが、皮膚萎縮および血管拡張は認められていません。適用部位刺激感は、投与初期(0~4週後)に発現する傾向があります。

なお、現在は16歳以上の患者が適応であり、ステロイド外用薬を併用する場合には、患者の状態を踏まえて部位によって使い分けるなど慎重に判断する必要があります。今後、小児にも適応が拡大される予定です。

外用のアトピー性皮膚炎治療薬として、新たな治療選択肢になりうると期待されます。

記事監修

日本小児科学会認定小児科専門医
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓(すずきみきひろ)